1.空・黄・土
遙か彼方
黄色の大地から
土は
風に手を引かれ
空を踏みしめやってくる
やがて
遙か彼方
赤色の大地へ
舞い降り そして キスするために
2.床・鳥・ガラス
音を立てて
飛び散ったガラス
きっと 鳥になりたかった
床に落ちた破片は
届かなかった空を映し
ただ
ただ
手を伸ばすこともできず
3.黒・朝・花瓶
流れるような黒髪を
そっと花瓶に垂れ流し
朝を待つ
やがて 君は
陽の光を浴び
美しく咲き誇るだろう
4.眼鏡・猫・楽器
太陽が
とろけそうな昼下がり
猫のじいさんは
鼻眼鏡ずり上げ
僕の目を じっとのぞき込んで
「素敵な楽器じゃのう」
そう言った
それは まるで
太陽が
とろけそうな昼下がり
5.ノート・桜・車
車の中から 見えた景色は
淡いピンクに染まっていて
桜の花は ただ白く
溢れることばを書き留めようと
ノートを開いてみたけれど
白いはずのノートすら
淡いピンクに染まっていて
ことばたちは
こぼれ落ちてしまった